最近のフィットネスブームにより、自宅やジムで筋トレをする人が急増しています。
筋トレを本格的に行なっている人の必須アイテムが『プロテイン』です。
しかし『プロテインの効果』を正しく理解できていない人も多いのではないでしょうか?
今回の記事では、サプリメントの販売を行なっている筆者が、プロの目線からプロテインの効果について詳しく解説します。
効果以外にも、製法や摂取タイミングについても解説しますので、『プロテインを現在摂取している人』も『これからプロテインの購入を検討している人』にも役立つ内容です。
プロテインとは?

プロテインとは、三大栄養素の一つである『タンパク質』のことを指します。
お肉やお魚、大豆は普段の食事から摂取する代表的な『タンパク質』ですが、それを飲みやすく粉末状にしたものが、プロテインパウダーです。
ちなみに、ここからは『プロテインパウダー=プロテイン』としてお話しします。
よくプロテインを「筋肉を付けるための薬だ」と勘違いされている方もいますが、これは全くの誤解です。
あくまでプロテインは『栄養補助食品』であり、薬ではありません。
食品の一部ですので、ボディビルダーや筋トレをする人だけが摂るものではなく、タンパク質の補給として一般の人やご高齢の方が摂取することも有効です。
プロテインの種類
プロテインには主に『ホエイ・カゼイン・ソイ』の3種類が存在します。
それ以外にも『エッグプロテイン』などの少しニッチな種類も存在しますが、主に市場に出回っているものは、上記3種類ですので、今回は割愛します。
プロテインは種類によって、効果もかなり違うことが特徴です。
それでは、3種類のプロテインについて解説します。
ホエイプロテイン
ホエイとは『牛乳に含まれるタンパク質の一種』です。
少し前までは、かなり抽出が難しく値段も高額でした。
しかし今は技術が発展し『市場に最も出回っているプロテイン』となっています。
特徴は、吸収スピードとタンパク含有量が非常に優れていることです。
多くのトレーニーが愛用している『最もベーシックなプロテイン』と言えます。
カゼインプロテイン
カゼインとは『生乳の約80%を占めるタンパク質の一種』です。
特徴は非常に吸収スピードが遅いことです。
吸収スピードが遅いことは、決して悪いことではありません。
穏やかに吸収されるため、就寝前や間食に摂取することで、常に体内のアミノ酸濃度を高めておくことができます。
『体内のアミノ酸濃度が高い=筋合成がされやすい』ということです。
カゼインプロテインは、比較的安価で購入することもできるので、ホエイプロテインと使い分けて使用するのもオススメです。
ソイプロテイン
ソイプロテインとは名前の通り『大豆を主成分としたプロテインパウダー』です。
大豆には、タンパク質が含まれている以外にも様々な効果があります。
例えば、大豆に含まれる『大豆イソフラボン』には女性ホルモンの分泌を促す効果があります。
その他にも繊維質が多く、比較的吸収も遅いため、血糖値の急激な上昇を抑えてダイエット効果を期待することができます。
プロテインの製法
ホエイプロテインを製造する方法は『WPC製法・WPI製法・WPH製法』の3つです。
どの製法を使用するかによって、プロテインの性質や品質、価格が大きく異なります。
それぞれの製法の違いを解説します。
WPC製法
WPC製法(ホエイ・プロテイン・コンセントレート)は、最も市場に出回っている製法のプロテインです。
価格も比較的安価なので、コストパフォーマンスを重視したい方に、おすすめです。
しかしコストを抑えられる一方で、『乳糖(乳製品に含まれており、乳糖不耐性の方が摂取するとお腹を壊す原因となる)』が含まれていたり、吸収スピードが2~3時間と遅くなってしまいます。
・市場に最も出回っている製法
・吸収速度は約2~3時間
・乳糖や脂質などの余分なものが含まれている
・コストパフォーマンス良し
・少し溶けにくい
WPI製法
WPI製法(ホエイ・プロテイン・アイソレート)は最も高品質なプロテインです。
製造工程に手間がかかるため、価格もWPC製法に比べると高くなります。
しかし品質は抜群で、吸収速度は1〜2時間、『乳糖』もほぼ除去されています。
本格的に身体つくりを行なっている方や、品質にこだわりたい人、乳糖不耐性の方におすすめの製法です。
・価格はやや高め
・最も高品質なプロテイン
・吸収速度は1~2時間(WPC製法:2~3時間)
・乳糖、脂質はほぼ除去
・非常に溶けやすい
WPH製法
WPH製法(ホエイ・プロテイン・ハイドロライズド)は、市場にあまり出回っていませんが、吸収スピードが魅力のプロテインです。
『ホエイ・ペプチド』と呼ばれる、ホエイよりも格段に吸収工程が早いアミノ酸が含まれています。
WPI製法(吸収速度:1~2時間)よりも更に早い、20分〜30分で体に栄養素を取り込むことができるのが特徴です。
トレーニング直後の摂取がおすすめですが、中にはトレーニング中に摂取する方もいらっしゃいます。
本気でトレーニングをするのなら、ぜひ摂取していただきたいプロテインです。
・市場には、あまり出回っていない
・吸収速度は20分~30分程
・トレーニング直後の摂取がおススメ
・吸収が早すぎるため、間食などの栄養補給での使用には不向き
プロテインの効果とは?

実際にプロテインを飲むことで得られる効果についてお話します。
プロテインを飲むことで得られるメリットは様々ですが、ここではその中でも特にプロテインが持つ5つの効果について解説します。
1.筋合成の促進
プロテインを摂取することの一番のメリットは、『筋肉の合成を促進する』ことです。
筋肉はタンパク質によって構成されていますので、筋肉の主成分である『タンパク質』をプロテインパウダーで補給することによって、筋肉は生成されます。
筋肉を作り出すには、タンパク質の補給以外にも、筋トレを行なって『超回復』を起こすことが大切ですが、説明が長くなるのでここでは割愛します。
2.筋分解の抑制
『筋肉が分解され、減少されるのを防いでくれる』こともプロテインの効果の一つです。
タンパク質の補給が十分に足りていない場合、人間の体は筋肉を分解して、栄養の一部とします。
最近では、『サルコペニア(加齢に伴う筋肉の減少)』が話題になっていますが、プロテインを摂取することで、サルコペニアを予防することもできます。
3.代謝の維持・向上
プロテインを摂取することで、体の代謝機能を維持し高めることができます。
体の代謝機能は、筋肉の量によって決定されるためです。
筋肉の栄養となるタンパク質をプロテインで摂取することは、筋肉を維持して代謝を高めることに繋がるため『ダイエットにも有効である』と言えます。
4.肌や髪などの健康を保つ
肌や髪などを美しく、健康に保つためには、プロテインの摂取が有効です。
その理由は、肌や髪はタンパク質によって構成されているためです。
タンパク質をより効率良く摂取できるプロテインは、女性の美容にも有効なアイテムと言えます。
5.ホルモンバランスを整える
女性ホルモンである『エストロゲン』と男性ホルモンの『テストステロン』の分泌には、プロテインの摂取が有効です。
特にソイプロテイン に含まれる『大豆イソフラボン』にはエストロゲンの分泌を高める効果があるとされています。
プロテインの摂取タイミングについて
「プロテインを購入したけれど、いつ飲めば良いのか分からない」という人は、少なくありません。
実はプロテインは『飲むタイミング』が非常に重要です。
そこで、筆者がおすすめする『摂取タイミング』を4つご紹介します。
トレーニング直後は必須
ジムや自宅でトレーニングをされている方は、『トレーニング直後〜30分以内』にプロテインを摂取することが重要です。
トレーニング直後〜30分以内は『ゴールデンタイム』と呼ばれており、このタイミングで良質なタンパク質を摂取することで、より効率良く筋肉に栄養を運ぶことができます。
トレーニング直後は、プロテインを摂取するなら欠かせないタイミングです。
起床後の摂取は効果抜群
朝起きて直ぐにプロテインを摂取することで、効率よく栄養を吸収することができます。
起床後の空腹状態は、体が栄養を吸収しやすタイミングです。
その他にも、「朝食はパンだけ」という方が朝にプロテインを摂取することで、栄養バランスをほぼ完璧に整えることができます。
プロテインを野菜ジュースなどで溶かすと『ビタミン・ミネラル』も摂取できるので、特におすすめです。
就寝前に摂取で筋分解抑制
夜眠る前にプロテインを摂取することで、睡眠中も体内に栄養を取り入れることができます。
特に日々ハードなトレーニングを行なっている方は、就寝前にプロテインを摂取することがおススメです。
日中のトレーニングで傷付いた筋肉を、睡眠中にタンパク質が補給されることで、より効率良く回復させることができます。
普通のホエイプロテインでも十分効果的ですが、吸収が穏やかな『カゼインプロテイン』を就寝前に摂取することで、睡眠中に筋肉へ栄養を送り続けることが可能です。
3時のおやつにプロテイン
間食としてプロテインを摂取することもおススメです。
特に高品質なWPI製法のプロテインは、栄養素のほとんどがタンパク質で構成されているため、太る心配もほぼありません。
空いたお腹も満たされ、代謝も高まり、ダイエットの強い味方となります。
プロテインに関するQ&A
ここでは、プロテインに関する様々な疑問について筆者がお答えします。
詳しい摂取方法はもちろん、プロテインについて皆さんが疑問に思うことについて解説します。
プロテインを飲むと太るの?
結論は、『飲み過ぎれば太る』です。
実際に、タンパク質をいくら摂取したところで、体の構造上は脂肪が付くことはありません。
しかし、プロテインの中には微量に脂肪分や糖質が含まれています。
「プロテインを摂取したいけれど、太るのが怖い」という方は、WPI製法を使用した高品質なプロテインを選ぶのが、おススメです。
筋トレをしていなくてもプロテインは必要?
プロテインとは『タンパク質』のことを指します。
タンパク質は、体に必要不可欠な『五大栄養素』の一つですので、不足すれば体の機能に悪影響を及ぼす可能性もあります。
サルコペニア(加齢に伴う筋力の減少)や代謝機能の低下は、タンパク質の不足が一つの原因です。
体に必要不可欠なタンパク質を手軽に摂取できるプロテインは、誰にでも有効なアイテムと言えます。
海外のプロテインは安全なの?
コストパフォーマンスを選ぶなら『海外産』、安全性と品質を選ぶなら『国産』がおススメです。
海外のプロテインも最近では、品質管理を厳重に行なっている印象はありますが、『異物混入』や『禁止薬物の含有』が時々報道されます。
「国産だから絶対に安全だ」とは言えませんが、国内工場で生産を行なっている『ゴールドジム 』などのメーカーは、やはり安全性が高いと言えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
プロテインには筋肉を付ける以外にも様々な効果があります。
種類や製法によっても、その効果には大きな違いがありますので、ぜひ自分にあったプロテインを見つけて下さい。
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